2024年12月から始まった政府のガソリン補助金縮小により、ガソリン販売価格の高騰が続いています。ガソリン以外にもあらゆるモノの値上がりが続き、少しでもガソリン代を節約したいと思うのは当然かと思います。そこで今回は誰でもすぐにできるガソリン代節約術をお伝えします。
価格高騰で求められる低燃費運転
資源エネルギー庁発表の給油所小売価格調査によると、2025年2月5日時点のレギュラーガソリン全国平均価格は、レギュラーで1リットルあたり184.6円になりました。歴史的水準での高騰が続いている中、ガソリン代節約は大量の車を保有する企業でも重要な課題です。
電気自動車やハイブリッド車など、燃費の良い車を選定するというのも方法ですが、車両の買換えは難しいという場合は「日々の運転の仕方」を見直してみませんか。
低燃費運転(エコドライブ)をすることで車種や運転方法によって異なりますが、一般的には10~20%ほどの節約が可能と言われています。さらに燃費を改善するだけでなくCo2の排出を減らして地球にも優しいという効果もあります。また、環境庁では「エコドライブ10のすすめ」を策定し、地球と財布に優しい運転を推進しています。
燃費を改善する「低燃費運転」のコツ
低燃費運転はドライバーの心がけひとつですぐに始められることが多いです。これからご紹介する低燃費運転のコツを次の運転からぜひ取り入れてみましょう。
1: 発進時はゆっくりアクセルを踏む
燃費が最も悪いのは停車している状態から走り出す時なので、発進時に最も燃費がいい運転方法はゆっくりとアクセルを踏んで徐々に加速することです。目安となる方法は、ゆっくり5つ数える間に時速20kmになるように加速です。このスタート方法を心掛けるだけで、10%ほど燃費が向上すると言われています。
2:急発進・急加速をしない
急発進や急加速を行うと、エンジンからは多くの熱が発生します。この熱を冷却するためにより多くの燃料を消費します。そのため、車は加速や減速を繰り返すより、一定の速度で走行した方が燃料を効率的に消費できます。また、急発進・急加速はエンジンに負担がかかり、寿命を短くします。アクセルやブレーキはゆっくりと踏み込み、急な動作を避けましょう。
また、減速する時にエンジンブレーキを積極的に使いましょう。減速時に早めにアクセルから足を離すことで2%程度の燃費改善が見込まれ、ガソリン節約にも有用と言われています。
3:無駄なアイドリングをしない
待ち合わせや荷物の積み下ろしでエンジンをかけたまま車を離れることは避けましょう。アイドリング時には10分で130ccの燃料を消費すると言われています。少しだけだからと車をアイドリングさせず、エンジンを切っておきましょう。冬場に暖機運転をしている方もいるかもしれませんが、最近の車では暖機運転は不要になっています。暖機運転もガソリンを消費するので、エンジンをかけてすぐ出発しても問題ありません。
4:不要な荷物を積まない
重いものを運ぶには大きな力が必要になり、その分燃料を消費します。そのため必要のない荷物はこまめに降ろすようにしましょう。例えば100kgの荷物を載せて走ると、3%燃費が悪化すると言われています。車の燃費は空気抵抗にも敏感なため、ルーフキャリアなどの外装品は使用しない時は外しておきましょう。荷物は必要な物だけを積み込み、積み込み時はできるだけ車の中央に重心を低く保つようにしましょう。
5:タイヤの空気圧をこまめに確認する
タイヤには車によって燃費や乗り心地などのバランスが良くなる「指定空気圧」が決まっています。タイヤの空気圧が適正値から不足すると、市街地で2%、郊外で4%燃費が悪化すると言われています。また、燃費悪化以外にもパンクやハイドロプレーニング現象が起こりやすくなり、重大な事故につながる可能性もあります。
空気圧は1か月で5%ほど低下するため、チェックを習慣化させておくことが大切です。空気圧はガソリンスタンドやカー用品店ですぐに点検でき、指定空気圧より低い場合には補充してもらえます。なお、指定空気圧は運転席側のドア開口部や取扱説明書などに記載があります。
タイヤ以外にもエンジンオイルやオイルフィルタなどの交換部品を定期的に交換することも燃費改善に繋がるので、車の定期点検を忘れずにお願いします。
6:エアコンの使用方法に注意する
夏場のエアコン使用時には温度設定に注意しましょう。エアコンの冷風はコンプレッサーという装置で作られ、その動力はエンジンです。そのため、冷房を使用するとエンジンにも負担がかかり、燃料を多く使うため燃費は悪化します。最近の夏は酷暑が続くので難しいかもしれませんが、無理のない範囲で設定温度を高めにしましょう。ちなみに暖房は冷却水がエンジンから受け取った熱を利用して温風が作られるため、燃費にほぼ影響はありません。
7:渋滞を避け、余裕を持った運転をしよう
業務で車を使用する場合、約束の時間から逆算して出発することが多いと思います。出かける前には渋滞・交通規制などの道路交通情報を確認、地図やナビでのルート確認を行いましょう。例えば1時間のドライブで道に迷い、10分間余計に走行した場合、17%ほどガソリン消費量が増加するとされています。そして、出発してからもナビやラジオなどで最新の交通情報をチェックし、燃費と時間を無駄にしないようにしましょう。
自分の燃費を知ろう
ここまで燃費を抑える運転方法をお伝えしましたが、燃費を改善するためにはまず現在の燃費を知っておく必要があります。日々の燃費を知れば、低燃費運転の効果を実感しやすくなります。
現在の燃費を知るには車に装備されている燃費計やエコドライブ支援機能を活用しましょう。また、燃費を計算する簡単な方法として「満タン法」があります。
この計算で、ガソリン1リットル当たりで走れた距離を知ることができます。
また、車をどのように使ったか、どのような道を走ったかも参考にすると、燃費のいい走行条件を知ることもできます。
最後に
ガソリン価格は当面高値を維持していく見通しと言われています。価格高騰が続く中、営業活動など生活を維持するためにガソリンを全く使わないというのは難しいでしょう。そのためには燃費を改善して、少しでも効率よくガソリンを使う工夫をする必要があります。
燃費に優しい運転は環境だけでなく、人にも優しい運転だと言われています。同乗者が安心できる安全な運転は、交通事故の削減にもつながります。心がけひとつで誰にでも始められる運転を習慣にして、お財布にも人にも優しい運転を目指しましょう。
参考)
https://tireworldkan.com/storeblog/?p=29057
https://www.sol.r-kyoto.co.jp/column/gasolin-setsuyaku/