キムラユニティーの車両管理BPO

アルコールチェッカーの寿命、ご存知ですか?

はじめに

 202312月から一定台数以上の白ナンバーの社用車を使用している企業に対して、アルコール検知器を用いた飲酒検査が義務化されて以降、検知器を利用した酒気帯びの有無の確認も必須となり、多くの企業で運用体制の構築が新たな経営課題となっているのではないでしょうか。今回のコラムでは、アルコールチェックのポイント、意外と知られていないアルコールチェッカーの寿命とその買い替え時期等についてご案内します。

 

アルコールチェック義務化の内容

アルコールチェック義務化に関する概要は下記3点です。

1)運転前と運転後の2回、酒気帯びの有無についてアルコール検知器を用いて確認する

2)酒気帯びの有無について計測結果を記録し、その記録内容を1年間保存する

3)アルコール検知器は故障や電池切れなどで使えないようなことがないよう、常時有効に保持する

 

アルコールチェッカーの寿命について

2501_1_1.png 一般家庭用向けアルコール検知器の平均寿命は1年または使用回数500~1,000回ほどとなっています。一般家庭用向けアルコールチェッカーは、センサー交換できない安価なタイプが多いため、耐用年数または使用回数を超えた時点で、アルコールチェッカーの買い替えが必要となります。取扱説明書などにも使用回数や交換時期の目安の記載がありますので、購入後に確認を行いましょう。

 

【アルコールチェッカーの交換時期について】

■アルコールチェッカーの使用回数を超えた場合

2501_1_2.png メーカーが上限としている使用回数を超えた場合、液晶画面などで買い替えまたは交換時期をお知らせしてくれます。また使用回数を超えたアルコールチェッカーは、使用できなくなりますのでご注意ください。アルコールチェッカー本体の買い替えまたはセンサー交換が必要となります。

■アルコールチェッカーの耐用年数を超えた場合

2501_1_3.png 一般的にアルコールチェッカーの耐用年数を超えた場合、使用回数のように寿命をお知らせしてくれる機能はありません。そのため、購入時期をしっかりと把握しておく必要があります。耐用年数を超えた場合、センサー精度が落ちてしまうため、正確なアルコール濃度数値を検知することができません。耐用年数を超えた場合も、アルコールチェッカー本体の買い替えまたはセンサー交換が必要となります。

 

【アルコールチェッカーの交換を怠ったらどうなるの?】

 202312月から義務化された、アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認(道路交通法施行規則第九条の十第六号)には、【アルコール検知器を常時有効に保つこと】という内容が記載されています。一部抜粋した内容は下記の通りです。

 

■道路交通法施行規則第9条の10 

六 運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であって、国家公安委員会が定めるものをいう。次号において同じ。)を用いて確認を行うこと。

七 前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。

 

 この「常時有効」とは、アルコール検知器が正常に作動し、故障がない状態に保つという意味です。耐用年数を超えて、正確なアルコール濃度数値を検知出来ない機器を使用し続ける事は常時有効保持の義務違反に問われる可能性があります。アルコールチェックを怠った場合の直接的な罰則は現時点ではありませんが、万が一従業員が飲酒運転や酒気帯び運転をしてしまうと、企業の代表者にも罰則が科される恐れがあり、また企業のイメージダウンにも繋がりかねません。

 

【常時有効に保持するために】

 アルコールチェッカーが正常に作動し、故障のない状態を保持するために、電源が入るか、損傷がないか、取扱説明書に基づいて耐用年数はどれくらいかを把握し、定期的に故障や不具合を確認し、トラブルなく利用できる状態にしなければなりません。

 

【アルコールチェック記録簿の作成】

2501_1_4.png アルコールチェックは実施するだけでなく、その結果を適確に記録し、1年間保存しなければなりません。そのため、企業全体で協力し、管理体制を整備する必要があります。記録簿の様式は指定されておらず、紙でもデータでも構いません。また、役所や警察署への提出義務もありません。しかし、万が一交通事故を起こしてしまった場合は、提出を求められる可能性があります。そのため、確実に保管できる体制を整えておきましょう。

 

【アルコールチェック記録簿の運用方法】

2501_1_5.png 酒気帯びの有無を1年間記録する必要があるため、運転日報のフォーマットや管理方法についても検討が必要です。アルコールチェックの記録簿を運用する主な方法には「紙による保存」「データによる保存」の2つがあります。また、アルコールチェックは原則として安全運転管理者の立会いのもと実施しなければなりません。そのため、直行直帰や出張など、対面での実施が難しい場合であってもスマートフォンやカメラなどを用いて、目視できる状態を整えた上で実施する必要があります。最近ではアプリやクラウドを使った車両管理システムの導入も増えています。車両管理システムでは運転日報以外に車検点検、免許証などといった車の管理全般で役立つ機能を多く備えている場合があるので、車両管理の効率化に導入をお勧めします。

 

アルコールチェック記録簿のDX化のメリット

アルコールチェックを実施するためのITツールが多く提供されており、導入することにより以下のようなことが可能になります。

  • 測定結果の自動入力
  • クラウド上でのデータ保存
  • 規定以上のアルコール検出時の通知

 データによる運用のメリットは管理にかける手間を減らせる点です。アルコールチェックツールに搭載されている自動入力機能や通知機能を活用すれば、運転者の手間を削減し、万が一検知結果がしきい値を超えた際にも、管理者は運転者への迅速な対応が可能です。また、記録簿はデータで保管されるため、紙のような保管スペースを用意する必要がない点もメリットといえるでしょう。一方、デメリットとしてはコストが発生するという点です。ツールにもよりますが、初期費用とは別に月額利用料なども発生する場合もある為、紙による運用と比べると費用がかかります。しかし、前述した通り、ペーパーレスになる点や運転者の手間が省けるメリットを考えると大きな費用対効果が期待できます。

 

【アルコールチェック運用体制のポイント】

2501_1_6.png 運用体制を構築する際のポイントは、管理者・実施者双方にとってなるべくシンプルに行えるようにすることです。アルコールチェックの手順や管理があまりに複雑であった場合、チェック作業が形骸化してしまい、結果として飲酒運転が発生する事態にもなりかねません。以上のような事態を防ぐためにも、できるだけシンプルに行える運用体制を構築し、もしどうしても複雑化してしまうようであれば、ITツールの利用なども検討しましょう。

 

最後に

 この記事では、アルコール検知器を常時有効に保つためのポイントやアルコールチェックの運用や体制についてご案内しました。アルコールチェックの義務化は、企業の運転者の安全を守るだけでなく、企業全体のリスクマネジメントにもつながる重要な取り組みとなります。

 弊社が運営するクラウド型車両管理システムKIBACO では202411月からアルコールチェッカーとの自動連携が可能となりました。検知結果を自動でKIBACOの入力フォームへ連携するため、運転者が測定結果を手入力する手間を削減でき、同時に誤入力と虚偽報告も防止します。さらに測定中の車両使用者の顔写真を自動撮影しKIBACOへ送信できるため、撮影の手間も不要です。
 また、日報と点呼記録をクラウドで一元管理でき、紙の回収・保管が不要となるため、管理者様の負荷を軽減できます。万が一アルコールが検知された場合は管理者様へメール通知されるため、飲酒運転による事故リスクを未然に防止する事も可能です。
 アルコールチェック運用体制に関するお悩み事や、WEBシステムをご検討中でしたら、下記お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

URL: https://www.carmanagementservice.com/form/inquiry.html