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マイナ免許証、ついにはじまる

はじめに

 マイナンバーカードと運転免許証が一体化した「マイナ免許証」について、警察庁は2025年の324日から運用を開始する方針を明らかにしました。このマイナ免許証が導入されると、免許保有者にはどのような影響があるのでしょうか。今回はマイナ免許証にするメリット・デメリット、今後の影響についてお話したいと思います。

 

マイナ免許証の影響

 マイナンバーカードと運転免許証の一体化とは、マイナンバーカードのICチップに運転免許証の有効期限や免許の種類、免許番号などの免許情報を搭載し、1枚のカードにまとめることをいいます。一体化の手続きは運転免許センターなどででき、運転免許証とマイナンバーカードが必要になります。希望者が対象で、一体化するかどうかは個人が自由に選択でき、従来の免許証の発行もできます。一体化の導入後以降は、下記の3パターンに免許保有者が分かれることになります。

①従来の運転免許証をそのまま使用

②従来の運転免許証を返納マイナ免許証のみ所持

③従来の運転免許証とマイナ免許証の両方を所持(2枚持ち)

 

 警察庁は253月から免許証の取得や更新にかかる手数料も見直す方針です。最も手数料が安いのはマイナ免許証のみ保有する場合で、更新の場合は現行の2500円から2100円に値下されます。現行の運転免許証のみ持つ場合の手数料も見直し、更新時は2850円に値上げされる見込みとなっています。 2411_1_1.png

 現時点ではまだ改正案の段階で、警察庁はマイナ免許証に関わる道交法の改正案や施行期日、手数料等について913日から1012日までパブリックコメントを募集していました。その結果を踏まえ、改正を進める見通しとなっています。本コラムにて記載されている金額はあくまで改正案となり、今後料金が変わる可能性もあります。

 

次に、マイナ免許証のメリット、デメリットについてそれぞれお伝えします。

マイナ免許証のメリット

下記4点がメリットとしてあげられます。

①カードが1枚に

2411_1_2.png これまで免許証や保険証など複数枚所持していたカードがマイナカード1枚に集約されることで日常生活でのカードの管理がしやすくなると考えられます。

②免許更新がお得に

2411_1_3.png 行政のデジタル化によるコスト削減効果により、運転免許証の更新などにかかる手数料が値下げされます。(現在の2500円が400円安くなる見込み)

③免許更新時にオンライン講習

2411_1_4.png 優良運転者などについては、更新の講習をオンラインで受けることも可能となります。好きな時間に好きな場所で講習を受けられるようになるのは大きな利点といえます。(オンライン化するのはあくまで講習部分のみであり、視力検査や免許情報の書き換えなどは警察施設で行う必要があります。)

④情報変更が楽に

2411_1_5.png 引っ越しや結婚をした場合、運転免許証の住所や氏名の変更は、これまで自治体に届け出をしてから、運転免許センターや警察署で住所や氏名の変更手続きをする必要がありました。しかし、「マイナ免許証」では、自治体に届け出をすれば、免許証の住所や氏名も書き換えることができるので、1か所で手続きを終えることができるというのは大きな利点です。

マイナ免許証のデメリット

続いて、デメリットもあることも理解しておかないといけません。

①情報漏えいや不正利用の危険性

2411_1_6.png マイナ免許証の不安なことは自治体側による情報の紐付けミス紛失盗難による情報漏えいになります。紐付けのミスは本人には防ぐことができません。また、普段から持ち歩くとなると、紛失や盗難の危険性があります。とても重要な個人情報なのでそういったリスクや、さらに悪用される可能性も心配になります。

②併用する場合は2種類とも更新が必要

2411_1_7.png マイナ免許証と従来の運転免許証の2枚持ちを選択される場合は2種類とも更新が必要となり手間がかかってしまいます。

③紛失時の運転できなくなる期間の長期間化

2411_1_8.png マイナ免許証にはもちろん、従来の運転免許証と同様に運転中の携帯義務があるためマイナ免許証を紛失した場合は市町村役場でマイナンバーカードの再発行をした後、警察で免許情報をICチップに搭載するという手続きをとらなければいけません。現時点でマイナンバーカードの紛失時の再発行は大体1ヶ月ほどかかっており、一体化したマイナ免許証を紛失した場合は更に長期間運転できなくなってしまうと予想されています。そのため仕事や家事などで日常的に車を運転する人は、マイナ免許証を紛失しないよう特に注意が必要です。しかし運転免許センターに行けば、原則として運転免許証の即日発行ができるため、すぐに運転しなければならない場合は運転免許証の再発行を検討しても良いでしょう。

 

最後に

 マイナ免許証の導入は、私たちの生活に新たな利便性をもたらす一方で、いくつかの注意点やリスクも考慮する必要があります。手数料やオンライン講習、セキュリティ対策についてしっかり理解しておきましょう。特に、導入直後の不具合や手続きの遅延は予想されるため余裕を持って対応されることをおすすめします。現在、警察庁はパプリックコメントの募集を終了し、その結果を踏まえ、改正を進める見通しとなっています。今後マイナ免許証に関わる道交法の改正案や施行期日、手数料等について新たな発表がありましたら、本ウェブマガジン【くるまが】にて情報提供いたします。