うっかり車検切れ!の予防策

 昨今、車検切れの状態で車両を運行し、摘発される企業や自治体のニュースを多く耳にします。企業として車検切れは法的違反だけではなく、企業の信頼やブランドイメージを損なう可能性のある極めて重大な問題です。そこで今回は車検切れの危険性と予防策についてお話したいと思います。

 

車検切れとは

 車検とは「自動車検査登録制度」といい、車が保安基準を満たしているかを検査する制度です。車が保安基準を満たしているかを確認し、基準に満たない場合は整備をして再度検査を受ける必要があります。これは、公道を走る車を所有している人に義務付けられています。

車検には有効期限があり、この期限が切れた状態の事を車検切れと言います。車検切れした車は公道を走ることができません。

2402_2_1.png 車検切れが起こる原因として多いのは、ドライバーが運転する車の車検満期日を知らずに運転してしまうというケースです。とくに社用車の場合、車検満期連絡は管理部署へ入るためドライバーの認識は甘くなりがちです。そこへ車両管理担当者が満期日確認や車検予約を怠るなど、管理の甘さが重なることで起きてしまうようです。

 

車検切れによる罰則・影響

 車検切れ状態で公道を走行することによって、どのような影響が発生するのかをご紹介します。

 

1:法的罰則

 自分の車ではなく社用車であったとしても、ドライバー自身が車検切れとは知らなかったでは済まされません。ドライバーには道路交通法違反として違反点数6点、30日間の免許停止と、道路陸送車両法違反として、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

社用車で違反した場合、会社にも罰金が科されます。車検切れの状態で公道を走行したと判明した時点で適用されるため、日付を跨いで車検満了日を1分でも過ぎれば罰則の対象となります。

 また、車検が切れていると自賠責保険も同様に契約満了しており未加入の場合が考えられます。その状態で公道を走行した場合、ドライバーは違反点数6点、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、自賠責保険の証明書を持っていなかった場合でも30万円の罰金が科せられます。
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2:自動車保険の補償を受けられない

2402_2_3.png もし車検切れの車で交通事故を起こしてしまった場合には、任意保険の補償を受けられない、もしくは十分な補償がされない可能性があります。先述の通り車検と自賠責保険期間は一致している場合が多いため、車検が切れていると自賠責保険も切れている場合があります。

自賠責保険では、被害者が死亡した場合1名につき3,000万円、後遺障害による損害は最大4,000万円まで補償されますが、自賠責保険が切れていた場合この補償を受けられず、被害者に対しての数千万円単位の払い義務を運転者、または会社が負います

たとえ任意保険で対人賠償保険をかけていたとしても、任意保険は自賠責保険の保険金の限度額を超えた分をカバーする保険のため、自賠責保険で補われるはずだった分の賠償は自己負担となるため、注意が必要です。

 例えば、無保険車が起こした事故で被害者が死亡し、賠償金額が5,000万円だった場合、自賠責保険の限度額を超えた2,000万円は任意保険でカバーできますが、3,000万円は自分で賠償しなければいけないことになります。

また注意すべき点として、任意保険の約款に「無車検車での事故には保険を適用しない」と明記されている場合、保険会社からのサポートは一切受けられません。

 

3:信用の失墜

2402_2_4.png 車検切れで車両を走行することは、企業の信頼性や社会的評価を大きく損なう可能性があります。公の場での違法行為は、消費者やビジネスパートナーからの信頼を失うだけでなく、企業イメージを大きく損なう場合があります。ですから車検の適切な管理は企業が社会的責任を果たす一部であり、極めて重要になります。

 

車検切れ防止策

それでは車検切れを起こさないためにはどうすればいいのでしょうか。大きく3つのポイントをご説明します。

 

1:車検管理の体制を整備

2402_2_5.png 車検管理システムの導入、社用車管理の責任者を設けるなど、車検時期を確実に把握する体制を整えましょう。例えば、車検満期日の一覧表を作成して一元管理することで車検手配業務の効率化を図るといった方法があります。また、管理責任者を明確にすることで「誰かがやってくれるだろう」という責任の所在がはっきりしないままの状態がなくなり、車検切れ防止に繋がります。

 

2:車検時期を常に確認する

2402_2_6.png ドライバーは自分が運転する車両の車検時期を知るようにしましょう。有効期限を乗車時に確かめることで、車検切れの状態で運転する事を防げます。ただし、20241月から電子車検証の交付がスタートし、有効期限が紙に記載されなくなったのでより注意が必要です。また、車検時期が近づいてきた場合は早めに車検の予約を入れるようにしましょう。

 

3車検切れのリスクに対する認識

2402_2_7.png ドライバーも管理する側も車検切れのリスクを正しく理解し、起こらないように行動をすることが求められます。車検切れによる罰則、事故時の保険リスク、会社の評価への影響など、多角的な視点から理解を深めることが大切です。

 

 

最後に

 社用車管理をする上で車検切れはあってはならない重要な問題であり、起こさないための対策や対応を実施することをお勧めします。車検切れを未然に防ぐための管理体制を整備することで、企業の信頼性を保つという大きなメリットがあります。車両管理者は車検管理の重要性を認識し、日々の管理業務におけるチェックを確実に実行していきましょう。

とは言え、管理台数が増えると1台毎の期日管理にかなりの手間がかかり、車検をうっかり漏らしてしまうリスクも増えます。そこで役に立つのが、点検日や保険満期日などの社用車に関わる情報を一括管理する「車両管理システム」です。

 弊社の車両管理システム「KIBACO」では、リース・購入など車の所有形態を問わず全ての車両情報を一元管理できます。また、車検満期が近づいた際に画面上でお知らせする機能を備えており、車検切れの予防に効果的です。

管理者機能のみであれば無料でご利用いただけますので、一度お試しになってみてはいかがでしょうか。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

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