車庫飛ばしという言葉はご存じですか?車庫飛ばしとは「車庫証明書に記載されている場所とは異なる場所に車を保管すること」を指します。例えば他県へ引っ越したのにナンバーを変えないまま放置するのは悪意がないとしても車庫飛ばしとみなされ、法律に違反した立派な犯罪行為となります。今回のコラムでは車庫飛ばしについてお話します。これを機に正しい知識を身に付け『うっかり違反』を防止しましょう。
車庫飛ばしと罰則について
本来、自動車を登録する保管場所は住民票のある自宅から2km以内という規制がありますが、警察署に届出した保管場所とは違う場所で自動車を常時駐車することを車庫飛ばしと言います。警察署に申請した保管場所が虚偽であったのか、保管場所の変更申請漏れであるかの経緯は問わず、いずれも犯罪として扱われ、発覚した際には、罰則・罰金が科せられます。
車庫飛ばしをした際に受ける罰則
違反内容 | 罰 則 |
---|---|
虚偽の保険場所申請 | 20万円以下の罰金 |
道路の車庫代わり使用 | 3ヶ月以下の懲役又は20万円以下の罰金(3点減点) |
道路における長時間駐車 | 20万円以下の罰金(2点減点) |
保管場所の不届け・虚偽提出 | 10万円以下の罰金 |
車庫飛ばしのパターン
車庫飛ばしにはこれから紹介する3つのパターンが存在します。うっかり変更手続きを忘れてしまい、知らず知らずの内に車庫飛ばしをしている車両が大半ですが、中には規制を逃れるためや費用を抑えるために意図的に車庫飛ばしを行う悪質なケースも現実にあります。
1:廃車型
駐車場に駐車可能な台数以上の車を所有するため、書類上所有車を廃車にして、新たに車庫証明を取得すると車庫飛ばしとなります。
2:住民票移動型
一時的に住民票を他の地区に移動させて車庫証明を取得した場合も、車庫飛ばしとなります。これは都市部の人が駐車場代を違法に節約する場合や、自分の好きな地名のナンバーを登録する場合等があります。変更申請が漏れた場合もこの住民票移動型に該当します。
引越しや法人でナンバーの変更を伴う車の入替を行った場合には、15日以内に変更手続きを行うことで車庫飛ばしを回避することができます。
3:ディーゼル排ガス規制型
自治体のディーゼル車排気ガス総量規制条例から免れるために、規制にかからない場所に名義上住所を移したように見せかけて車庫証明を取得する行為も車庫飛ばしになります。
2020年7月には名古屋市在住の男性がディーゼル車の排ガス規制を逃れるため、車の使用地と居住を浜松市だと偽って車庫証明書を申請し、電磁的公正証書原本不実記録の容疑で逮捕される事案が発生しています。
最後に
車庫飛ばしと言っても決して故意とは言えないようなケースから悪質なケースに至るまで幅広く存在しています。車庫飛ばしが発覚するケースとしてよく耳にするのが「別地域のナンバープレートが付いた車が駐車場に毎日駐車されていたのを不審に思った人が通報して発覚した」というものです。現在社内で使用中の車で別地域のナンバープレートのままになっている車両はないでしょうか?コロナ禍以降、他県のナンバープレートに対して敏感な方が増えているという話も聞きます。
車庫飛ばしをすると、罰則を受けるリスクを負うだけではなく会社イメージの低下にもつながる可能性があります。これを機に今一度車検証入れに入っている「車庫証明書」が、お使いの車庫と相違がないことを確認することをお勧めします。