荒天時の事故防止

 12月に入ってから低気圧の急発達などにより一日中雨や雪が降りしきる日や強風が吹き荒れ、全国的に天気が荒れる日がありました。悪天候は車の運転にも大きく影響を与え、事故が起こりやすい状況となります。そこで今回は冬本番を迎えたこの時期、雨・風・雪とそれぞれの荒天時ごとに注意すべき運転ポイントと対策をご紹介します。

雨の時

注意点1:降り始めには特に注意!

2112_2_1.jpg 雨のときは路面が滑りやすくなるものですが、実は降り始めが特に危険です。乾燥した道路に雨が降ると、泥やほこりが雨と混ざり合い、まるで油を引いたような状態になり、非常に滑りやすくなります。道路が滑りやすいと、乾燥したときよりも車の停止距離が長くなるため、スピードの出しすぎにご注意ください。車間距離を十分にとって、落ち着いた運転をすることが大切です

注意点2:雨粒の目隠しにご注意!

2112_2_2.jpg 雨が激しく降れば降るほど、フロントガラスやサイドミラーにたくさんの雨粒が叩きつけられ、周囲の様子が把握しにくくなります。こんなときは、安全確認をしているつもりでも注意が不足しがちになります。ワイパーの速度をこまめに調整して視界の確保に努めるなど、いつも以上に注意が必要です。特に注意したいのはバック時で、慎重に後方を確認し、いつでも停止できる速度で操作しましょう。

注意点3:飛び出しに注意!

2112_2_3.jpg もしも自分が歩行者側の立場だったとして、外出時の急な雨で歩行中に傘を持っていなかったら、つい先を急いでしまいがちになると思います。降り始めはこうした理由で先を急ぐ人がいますので、思わぬところから歩行者や自転車の急な飛び出しがあるかもしれません。こんなときは、ライトをつけて車の存在を通行人に知らせるなどの工夫をしましょう

風の時

注意点1:横風に要注意!

2112_2_4.jpg 強風時には、前からの風よりも横からの風が危険です。横風を受けた衝撃で慌ててハンドルを切ってしまったことで事故につながることもあります。高速道路や谷にかかった橋上を走行中、トンネル通過直後などでは、突風による衝撃を受けやすいので、ハンドルをしっかり握って冷静に対処しましょう

注意点2:大型車の追い越しに注意!

 強い風が吹いているときは、横風に耐えるためハンドルを強く握る必要があります。しかし、大型車を追い越すときは特に注意が必要となります。大型車の陰に入ると、急に風がなくなるために自分の車が大型車の方に引き寄せられるような状態になります。追い越した直後も、再度強い横風を受けてハンドルをとられます。難しいハンドル操作を避けるためにも、強風時は大型車の追越しを避けることが大切です

雪の時

注意点1:冬季の路面は滑りやすいため、事故率が約1.2倍!

2112_2_5.jpg 雪が降ると、降り始めてから溶けるまでずっと路面の滑りやすい状態が続きます。冬季の事故率を北海道版警察白書「北斗の安全」より算出したところ、雪の降る時期(122月)とそれ以外の時期を比較した事故率はなんと1.2倍という結果に。雪に慣れていると考えられる北海道でも、事故が多くなることがわかります。これが雪に不慣れな地域になると、事故率は一気に高まります。雪のときには、スタッドレスタイヤへのタイヤ交換やタイヤチェーンの装着を行う必要があります。また、溶けた雪が凍結して滑りやすい状態が長期化することもあります。特に深夜から早朝、橋の上やトンネルの出入口は特に凍結しやすいため、こうした場所や時間帯に運転する場合は雪が溶けたあともしばらく注意が必要です。

注意点2:歩行者の転倒に注意!

2112_2_6.jpg 雪が降ると歩行者の歩く速度が遅くなり、足をとられて転倒することもあります。歩行者が道路を横断している場合には、早めに速度を落として歩行者の急な転倒があっても車を停止できるように備えましょう

注意点3:見通しの悪さに注意!

2112_1_6.jpg 雪の日の運転は吹雪いて前が見えなくなるなど、視界が悪くなることにも注意が必要です。雨のときと同様に、周囲の様子が把握しにくくなるので、前方の視界が特に悪いときは安全な場所に一時避難するなど、様子をみるようにしましょう。運転をしなければいけない場合は、運転前にすべてのガラス面の雪を落として十分に視界の確保に努めることが大切です。

最後に

 雨、強風、雪それぞれの天候での注意点と安全運転ポイントをご紹介しましたが、荒天時に運転をされる際は今回ご紹介したポイントを思い出し、気を引き締めて安全運転を心がけてください。また、天候の状況次第では「車を安全なところに止めて天候回復を待つ」または「そもそも運転を控える」という選択も検討するようにしましょう。