横断歩道で歩行者が犠牲となる交通事故が後を絶ちません。横断歩道では歩行者が優先であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務があります。しかしJAFの調査によると驚くことに約8割の車が一時停止をせずそのまま通過していることが明らかになっています。今回は世の中のドライバーの8割が実践できていない、信号機のない横断歩道の正しい走行方法についてご紹介したいと思います。
道路交通法第38条について知ろう
「横断歩道における歩行者の優先」が定められている道路交通法第38条の内容を、皆さんは知っていますか?具体的には以下の内容が規定されています。
歩行者の有無が確認できない場合、横断歩道の手前で止まれる速度で走行する
横断しようとしている、あるいは横断中の歩行者がいる時は必ず一時停止をする
横断歩道およびその手前30メートルの場所では追い越しや追い抜きが禁止
道路交通法第38条では、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合、ドライバーは横断歩道の直前で車を一時停止して、その通行を妨げないことが義務付けられています。これに違反した場合は罰則の対象となり、3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金、違反点は2点、そして普通車の場合9,000円の反則金が課せられます。
ひし形マークを見たらアクセルオフ!
それでは、信号機のない横断歩道はどのように通過すべきなのでしょうか。道路を横断しようとする歩行者の安全を確保するためには、横断歩道の位置を認識することが重要になります。しかし信号のない横断歩道がふと現れ、歩行者が立っていても止まれなかったという経験は誰しもあるのではないでしょうか。
実は信号機のない横断歩道の手前には前方に横断歩道があることを示す「◇(ひし形)マーク」が路面に表示されています。地域によってはダイヤマークとも呼びます。
この◇マークは横断歩道の30m手前と50m手前の2ヵ所に表示されています。運転する際のポイントは、50m手前にある1つ目の◇マークを見つけたらアクセルから足を離し、徐々に速度を落とします。そうすることで歩行者を察知した瞬間に次の動作への移行が容易になります。そして30m手前の2つ目の◇マークまで進んだら、ブレーキを踏んで減速します。歩行者が見えたら止まれる速度で進行し、歩行者の横断に備えましょう。日常から視野を広く保ち、路面標示にも気付けるよう心がけてください。
歩行者優先の社会を実現する「リスペクト38」
キムラユニティーでは「リスペクト38」という活動を始めました。これは道路交通法第38条に定められた「歩行者優先」について一人でも多くの運転者に知ってもらい、それを守り、そして伝え広げていくことで歩行者優先の社会を実現することを目指したプロジェクトになります。
このプロジェクトは「3つの理念」と「8つの行動指針」から成り立っています。
8つの行動指針
1:1つ目の◇マークを見たらアクセルオフ
2:2つ目の◇マークを見たら減速
3:横断歩道付近に歩行者がいたら一時停止
4:歩行者がいるかいないかわからないときは止まれる速度で進行
5:横断歩道手前で車両を追い抜く時は一時停止
6:歩行者とは距離を空けて進行
7:後続車から追突されないように早めのブレーキ
8:発進時は歩行者等、周囲確認の徹底
リスペクト38プロジェクトでは1社でも多くの企業にご賛同いただき「歩行者を守る」活動を自ら実践し、紹介することで賛同企業の輪を広げ歩行者が事故に遭わない世の中になることを目指しています。ご賛同は企業、団体、個人を問わず、幅広く募っています。ご賛同いただきますとオフィシャルロゴを使用し、賛同企業・団体であることをアピールしていただける他、社内啓発やPRのためにポスター、動画ツールも無料で使用できます。
ご興味のある方は、当プロジェクトホームページよりお問い合わせください。
プロジェクトの紹介動画がこちらからご覧いただけます。
最後に
道路交通法は本来道路において守るべきルールを定めたものであり、歩行者保護はドライバーであれば守るべきことです。しかし、残念ながら横断歩道に歩行者が立っていても減速せず通り過ぎてしまうドライバーはが多いのが現実です。道路交通法第38条について理解を深め、ここに紹介した路面の◇マークを見かけた時の運転方法をぜひ実践して、歩行者が当たり前に優先された、交通事故の無い社会の実現を共に目指していきませんか。