エコドライブという言葉をご存じでしょうか?「環境にやさしい運転」「ガソリン代が節約できる運転方法」などなんとなくは分かるものの、何からはじめたらいいか分からない人も多いのではないでしょうか。今回は誰でも手軽に始められるエコドライブの具体的な実践方法についてご紹介します。
燃費の把握
エコドライブを実践するにはまずご自分の車の燃費を把握することを習慣にしましょう。日々の燃費を把握すると、エコドライブの効果が実感できます。車種によっては燃費計が装備されているものやナビにその機能が備わっていることもあります。また、スマホの燃費管理アプリなどのエコドライブ支援機能を使うことで容易に燃費を把握することができます。
運転時のエコドライブ
1:ふんわりアクセル
発進するときは穏やかにアクセルを踏んで発進しましょう。最初の5秒で時速20km程度が目安です。日々の運転においてやさしい発進を心がけるだけで10%程度燃費が改善します。また穏やかな発進は安全運転にもつながります。
2:車間距離にゆとりを持ち、加速・減速の少ない運転
走行中は一定の速度で走ることを心がけましょう。車間距離が短くなるとムダな加速・減速の機会が多くなり市街地では2%程度、郊外では6%程度燃費が悪化します。交通状況に応じて速度変化の少ない運転を心がけましょう。
3:減速時は早めのアクセルオフ
信号が変わる時など停止することがわかった時点で早めにアクセルから足を離しましょう。そうするとエンジンブレーキが作動し、2%程度燃費が改善します。また、減速するときや坂道を下るときにもエンジンブレーキを活用しましょう。
4:渋滞を避け、余裕を持って出発
出かける前に渋滞や交通規制などの道路交通情報を確認し、地図・カーナビなどを活用して、行き先やルートをあらかじめ把握し、時間に余裕をもって出発しましょう。さらに、出発後も道路交通情報をチェックして渋滞を避ければ燃費と時間の節約になります。たとえば、1時間のドライブで道に迷い、10分間余計に走行すると17%程度燃料消費量が増加します。
5:走行の妨げとな駐車はやめよう
迷惑駐車はやめましょう。交差点付近などの交通の妨げになる場所での駐車は渋滞をもたらします。迷惑駐車は他の車の燃費を悪化させ、交通事故の原因にもつながります。迷惑駐車の少ない道路では、平均速度が向上し、燃費の悪化を防ぎます。
エコドライブにつながる行動
1:エアコン使用は適切に
車のエアコンは車内を冷却・除湿する機能です。暖房のみ必要なときはエアコンスイッチをOFFにしましょう。また、冷房が必要なときは車内を冷やしすぎないようにしましょう。たとえば、車内の温度設定を外気と同じ25℃に設定した場合エアコンスイッチをONにしたままだと12%程度燃費が悪化します。
2:無駄なアイドリングはやめよう
待ち合わせや荷物の積み下ろしなどによる駐停車の際はアイドリングはやめましょう。10分間のアイドリングで、130cc程度の燃料を消費します。また、現在の乗用車では基本的に暖機運転は不要です(マイナス20℃程度の極寒冷地など特別な状況を除く)。エンジンをかけたらすぐに出発しましょう。
3:タイヤの点検・整備
タイヤの空気圧チェックを習慣づけましょう。例えばタイヤの空気圧が適正値より50kPa不足すると市街地で2%程度、郊外で4%程度燃費が悪化します。また、エンジンオイル・オイルフィルタ・エアクリーナエレメントなどの定期的な交換によっても燃費が改善します。
4:不要な荷物は下ろそう
運ぶ必要のない荷物は車からおろしましょう。車の燃費は、荷物の重さに大きく影響されます。たとえば、100kgの荷物を載せて走ると、3%程度燃費が悪化します。また、車の燃費は空気抵抗にも敏感です。スキーキャリアなどの外装品は、使用しないときには外しましょう。
最後に
燃費の把握、緩やかな運転への意識、そして常日頃のちょっとした心がけでお財布にも環境にも優しく、また安全運転につながるエコドライブが実現します。だれでも手軽に始められるエコドライブを今日から無理なく取り組める範囲で実践してみてはいかがでしょうか。