罰則が強化され、度々話題になる「あおり運転」は誰もが被害者・加害者のどちらにもなる可能性があります。自分では気づかず、知らず知らずに煽られやすい運転をしているかもしれません。また、煽られやすい車にも傾向があるようです。
そこで今回は、あおり運転を受けやすい車の傾向と、煽られないための対策についてお話したいと思います。
煽られやすい車の特徴
あおり運転に巻き込まれたことのある車には、どのような特徴があるのでしょうか。チューリッヒ保険会社が2018年5月に行ったあおり運転についてのアンケート結果では、あおり運転をされた時に乗っていた車は、軽自動車(28.8%)、コンパクトカー・ハッチバック(22.8%)が上位を占め、小さい車があおり運転を受けやすい傾向にありました。
また、日本アンガーマネジメント協会の調べでも、「どのような状況の時に危険運転などの被害に遭いそうになりましたか」という問いに対し、1位が「速度を落として運転していた時」ついで「軽自動車又は小さめの車に乗っている時」となりました。特に「軽自動車又は小さめの車に乗っている時」と回答した人の半数が女性という結果です。
このことから「スピードが遅い」「車両が小さい」「自分より弱そうな人が運転している」といった、自分よりも弱い立場にある小さな車や女性に対してあおり運転を行う場合が多いと言えます。
一方で、あおった側の車は、「セダン」(33.5%)、「バン/トラック」(18.3%)などの大きめの車で、色は「ブラック」(27.8%)、ホワイト(23.8%)が多い結果となっています。
煽られやすい運転はあるのか?
自分では注意して運転しているつもりでも、後続車から煽られてしまった経験がある方はいらっしゃいませんか?チューリッヒ保険会社の「2020年あおり運転実態調査」ではあおり運転をされた経験があると57.9%と約6割の方が回答されました。
そしてあおり運転をされたきっかけとして思い当たる行動について、制限速度で走っていた(17.2%)、車線変更、追い越しをした(同率14.7%)と、スピードや進路変更に関連する動作が上位に挙がっています。
制限速度で走っていた | 17.2% |
車線変更をした | 14.7% |
追い越しをした | 14.7% |
スピードが遅かった | 13.8% |
合流をした | 12.9% |
たとえ法定速度を守っていたとしても周囲の車の流れに合っていなければ、他のドライバーはイライラしてしまいます。また、急な車線変更や無理な合流も後続車に急なハンドル操作をさせる事になりストレスを与え、トラブルの原因になります。
煽られないための対策
では、煽られないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?あおり運転の被害に遭わないためには、周囲を気遣う「思いやり・譲り合い」を忘れず、ゆとりある運転をすることです。思いやり・ゆずり合い運転のポイントは以下の4つです。
ゆずり合い運転のポイント
1:後続車に追いつかれたり、急いでいるように感じたら早めに道を譲る
2:車間距離を十分に取り、急な割り込みはしない
3:急ブレーキ、急発進、急な車線変更等の「急」が付く動作をしない
4:追い越しでやむを得ない場合以外は左側車線を走行(標識・表示で指示されている場合はそれに従う)
上記の4つ以外にも周囲の車の動きに注意し、相手の立場に立った行動をとるようにしましょう。
また、業務中は特に慎重な運転をお願いします。会社名が入った車両で乱暴な運転をしていては会社のイメージ低下に繋がりますので、他の運転者の模範となるような運転を心掛けるよう徹底しましょう。
最後に
もちろんあおり運転はする方が悪いのですが、ドライバー側も煽られやすい原因を作らないことが大切です。道路は社会全体のものです。制限速度を守ることは大切ですが、周囲の車の流れにも気を配って運転することを忘れないようにしましょう。自分がされたら不快になるような運転はせず、思いやり・譲り合いの気持ちを忘れずハンドルを握るようにしましょう。