道路上の様々な標示覚えていますか?

 道路上にはさまざまな標示が描かれており、車の通行方法など車の運転のために貴重な情報を提供してくれます。しかし、その標示に対するドライバーの理解は十分とは言えないようです。ある県警察本部が行ったアンケート調査(約500人)では、道路上の「マーク」標示(後記参照)の意味を正しく理解しているドライバーは約半数でした。

 皆様は道路標示に関してどれくらい理解されていますか。そこで今回は道路標示の中からいくつかピックアップして、その意味や運転上の注意点などを再確認してみましょう。

道路標示を守ることは安全運転の基本

 標示は今までの事故の状況なども踏まえて、その場所での交通の安全や円滑を図るために描かれているものです。したがってこれを無視、逸脱することは、すぐ事故に近づくという危険のサインであるといえます。

 2016年中に起きたドライバーの過失による交通事故のうち、死亡事故が占める割合(死亡事故率)0.7%でした。死亡事故率を法令違反別(路面に標示があった可能性がある法令違反のみ抽出)にみると、「最高速度違反」が28.7%で約41倍も高くなっており、路面に示されている速度を超過して重大事故に至っている様子がうかがえます。

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道路標示への感受性を高めることは安全運転の大事なポイントです。

ひし形のマークは何?

2103_2_2.jpg 冒頭にお話した道路上の◇マーク表示の意味を皆さんはご存知ですか?横断歩道の前で左図のような(ひし形)の標示をよく見かけますが、これは標示の先に「横断歩道または自転車横断帯があること」を意味しています。

 このマークは信号機のない横断歩道の手前、見通しの良い悪いに関係なく標示され、1つ目のひし形から50m、2つ目のひし形から30m前方に横断歩道があります。
このマークを見たら、「横断歩道がある」「横断歩行者がいる」「自転車が出てくるかもしれない」という心構えをし、横断歩道手前で停止できるように速度を落として進みます。

2103_2_3.jpg なお、右のような三角形の標示がありますが、これは「交差する前方の道路が優先道路であること」を示します。

知っておきたい道路標示

 ひし形マークの他にも、たくさんの道路標示があります。その中で代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。あなたはどれだけ知っていますか?

ゼブラゾーン

2103_2_4.jpg ゼブラゾーンは白の実線と斜線で標示され、「導流帯」とも呼ばれます。 車の通行を安全で円滑に誘導するため、車が通らないようにしている道路の部分を表す標示で、車両の走行を誘導する必要がある場所に設けられています。多くは交差点の手前や右折レーンの手前、中央線付近などに設けられています。道路交通法ではゼブラゾーンに入ることは禁止されていませんし、ゼブラゾーンを走行したからといって罰則もありません

 しかし、やたらとゼブラゾーンに入るものではないと考えられています。 そのため、ゼブラゾーンを走行する車両が事故を起こした場合には、過失割合が加算されることがあります。

専用通行帯

2103_2_5.jpg 路面に示された車両のみが通行できる専用車線です。図の場合、午前7時~9時の間、路面に記された車両(バス)以外の車両は通行することができません。

停止禁止部分

2103_2_6.jpg 緊急車両が出ることの多い消防署の前で見かける表示です。この表示の中に入って停止してはいけません。車を停止する場合は、表示の手前で停止しましょう

転回禁止

2103_2_7.jpg この表示のある場所ではUターンすることができません

最後に

 ここまでいくつかの道路標示について解説しました。これらの道路標示は日頃何となく見過ごしている方も多いのではないでしょうか。これを機に道路上の標示を正しく理解し、規制・指示に従って安全に通行するようにしましょう。 また、4月は新入社員や異動などの理由で運転に不慣れなドライバーも増える時期です。運転教育をされる場合は、安全運転のポイントとしてこれらの標示についても伝えてください。 道路標示や標識を正しく守り、新年度から事故を起こさないように意識していきましょう。