国土交通省は、2025年4月から車検を受けられる期限が、車検証の有効期限満了日の「2ヶ月前」から受けられるよう規制緩和したことを発表しました。車検を2ヶ月前に受けられるようになることによって、車検予約の混雑緩和や車検切れなどのリスクの軽減が期待されています。今回は継続車検の受検期間が変更された背景やメリットについてお話しします。
検査期間が変更された背景
今回の改正の目的は、年度末の車検の混雑緩和と自動車整備士の働き方改善を図ることです。現在は車検期限の1ヶ月前(離島に使用の本拠の位置がある車両の場合は、2ヶ月前)から車検を受けることができますが、2025年4月からは、全国一律に「2ヶ月前」から受けられるようになり、車検時期をより柔軟に選択できるようになります。法改正後は、たとえば、6月15日が車検満了日であれば4月15日から車検に出すことが可能です。
車検繁忙期はいつ?
車の購入や買い替えが多い3月は、必然的に車検需要も高まります。基本的には乗用車の新車の初度登録年月から3年後の同月に初回の車検満了を迎え、その後2年おきの同月に更新されていくためです。よって年間で新車が最も売れる3月が車検対応で整備工場が最も混雑する時期となります。また年間を通して新車販売台数が比較的多い2月と9月も車検台数が多い傾向にあります。過去10年を振り返っても、多少の増減はあるものの、ほぼこの傾向に変化はありません。
国土交通省が発表した過去5年間(2019-2023年)の月別車検台数では、1年の平均が約281万台に対して、3月が約389万台と突出していることが分かります。こうした現状により、以下のような課題が発生しています。
1.混雑時期の集中により車検・整備の予約が取りづらく、車検切れのリスクがある
2.自動車整備士の残業・休日出勤が増加し、過労状態に陥るリスクがある
これまでも、2ヶ月前でも車検を受けることは出来ましたが、前倒しになった分、次回の車検までの期間が短くなり、残りの有効期限分だけ損をすることになっていました。法改正により受検可能期間が拡大され、特定の期間に集中する検査業務を分散させ整備工場の負担を減らすことによって、自動車の使用者の利便性向上を図ります。
車検の受検期間拡大のメリット
道路運送車両法施行規則が改正され、有効期間満了日の2ヶ月前から満了日までの間に車検を受けた場合でも、残りの有効期間が失われることはありません。また、自賠責保険の有効期間も、車検の制度改正に伴い2025年4月1日以降は2ヶ月前から手続きができるようになります。これにより、車検を受ける時期が60日間の余裕があるため、自分のスケジュールに合わせて柔軟に調整することができます。ただし受検可能期間が広がっても、年度末に車検のニーズが集中する事実は変わりません。「2ヶ月あるから」とのんびりしていると、予約が埋まってしまう可能性もあります。早めに車検を受けることで、うっかり車検切れになってしまうのを防ぐことができます。有効期限1ヶ月前からの受検が原則となっている現在はもちろんのこと、制度が改正される2025年4月以降も余裕をもった車検予約・受検をおすすめします。
実は、車検の受検自体は「車検証の有効期間内」であれば、いつでも可能であること、ご存じでしょうか。しかし受検のタイミングによっては、以下のように新車検証の有効期限が変わりますので注意が必要です。
・車検証の有効期限前2ヶ月以内に受検:「旧車検証の有効期限」から2年後
・車検証の有効期限から2ヶ月前より早く受検:「受検日」から2年後
つまり改正後を例に考えると、車検証の有効期限前2ヶ月より早く受検した場合、有効期限前2ヶ月以内に受検するより新車検証の有効期限が短くなります。
最後に
この記事では継続車検が2ヶ月前から受検できるようになる背景やメリットについてお話ししました。年度末に集中する車検需要が今回の法改正によって分散される見込みがあるものの、ご自身のご予定に合わせて余裕を持った早めの予約を心掛けましょう。
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参考:車検の継続検査が2カ月前から可能(2025年4月1日施行)に!その理由は? - 新車情報の車ニュースを配信中 - 中古車のガリバー