過去にくるまがでもお話させていただきましたが、2019年12月に改正された道路交通法でながら運転の罰則が強化されたことは、皆さん覚えていらっしゃいますか。改正から今月でちょうど1年になる今回は、改正後のながら運転の状況を含め、改めて罰則などをおさらいします。
法改正後のながら運転の状況
警察庁によると、ながら運転の取り締まり件数は2019年12月から3ヶ月間に64,617件で、前年の同時期の172,465件と比べ62.5%の削減となったそうです。
さらに2019年12月~2020年2月の交通事故件数は、363件と1年前の同じ期間より45%削減されました。これは改正道路交通法が施行され、罰則が強化されたことによる効果と言えるのではないでしょうか。
改正内容のおさらい
以前にもまとめましたが、改めて違反点数、罰則についておさらいしましょう。
携帯電話使用等に関する違反点数・反則金の引上げ
携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合
改正後 | ||
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違反点数 |
6点(即免許停止) 酒気帯びの場合 16点(免許取り消し) |
|
反則金 | 大型 | 非反則行為となり、 全て罰則が適用される。 |
普通 | ||
二輪 | ||
小特等 |
携帯電話の保持
改正後 | ||
---|---|---|
違反点数 |
3点 酒気帯びの場合 15点(免許取り消し) |
|
反則金 | 大型 | 25,000円 |
普通 | 18,000円 | |
二輪 | 15,000円 | |
小特等 | 12,000円 |
携帯電話使用等に関する罰則の強化
携帯電話使用等により交通の危険を生じた場合
改正後 | |
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罰則 |
1年以下の懲役または 30万円以下の罰金 |
携帯電話の保持
改正後 | |
---|---|
罰則 |
6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金 |
日頃気を付けられているかと思いますが、12月という慌ただしい時期だからこそ今一度気を引き締めてハンドルを握りたいものです。
ながらスマホのボーダーラインはどこ
ながら運転で多いケースは、携帯電話やスマホの操作や通話を行う「ながらスマホ」ではないでしょうか。道路交通法第71条5の5では「自動車を運転する場合においては、当該自動車が停止している時を除き、携帯電話用装置を通話のために使用し、表示された画像を注視しないこと(中略)」とあります。つまり、スマホなどを手に持って操作する、または画面を注視すること自体が違反になります。
そこで罰則となる保持・注視をしないで使える、ハンズフリーやBluetooth通話、メールの読み上げ機能を使用されている方もいると思います。これらの行為が違反にはならないのか、警視庁交通課は以下のように説明しています。
Q1:運転中に通話することは違反?
A:道路交通法で禁止されているのは、携帯電話の保持や、携帯画面・ナビ画面の注視です。通話自体は違反ではありません。
Q2:ハンズフリー通話は違反にならないのでしょうか?
A:例えば、信号待ちを含む停車中に携帯電話を操作して電話をし、車が動き出す前に携帯電話の操作が終わっていれば違反にはなりません。しかし、通話を終えるため走行中携帯電話を操作したり、画面を注視すると違反になります。ナビ画面でも同様です。
画面注視については、具体的な秒数は決められていません。何を持って注視と判断するかは、運転操作から注意がそれた時と言えます。
Q3:他に注意すべき点は?
A:運転中は車外の音が常に聞こえる状態でなければいけませんので、両耳を塞ぐヘッドホンやイヤホンを使った通話は別の違反になります。
また、道路交通法では禁止されていない運転中の通話が条例で禁止されている自治体もありますので、一度確認してください。
これらの内容をまとめると、運転中でも機器の使用方法によっては通話可能ですが、自治体や警察官によっては取締りの可能性があるということが言えます。やはり運転中に通話がしたい場合には、安全な場所へ車を停めてからの通話がおすすめです。
最後に
業務で車を使用していると、お客様などから電話がかかってくることもあります。ずっと電話が鳴り続けていると運転に集中できないですし、すぐに出たい気持ちにもなるでしょう。しかし、その一瞬の選択で自分はもちろん他人を悲しい事故に巻き込んでしまう可能性があるのです。どうしても出たい場合は路肩や駐車場へ車を停めてからを徹底しましょう。もしお手持ちの携帯やスマホに電話を掛けた人へ運転中であることをアナウンスする機能(ドライブモード)がついているようであれば、ぜひ活用してください。
そして自分が電話を掛ける方の立場に立った時には、なかなか相手が出ない場合には「もしかしたら運転中かもしれない」と思えるような心の余裕を持ちたいものですね。