車を運転する上でタイヤは重要なパーツです。というのもタイヤのトラブルは危険な事故に繋がりやすいからです。ですから、メンテナンスには充分注意が必要です。そこで今回は、日頃のタイヤメンテナンスに役立つ豆知識をご紹介いたします。
適切な空気圧は車によって違う
タイヤの空気圧を気にしたことはありますか。タイヤは適正な空気圧を保つことで、本来の乗り心地や走行性能を発揮するものです。ですがタイヤゴムの性質上、自然に抜けて空気圧は低下してしまいま す。
そこで月1回ほどの点検をして調整するのですが、実はタイヤの種類やサイズが同じでもクルマによって適正な空気圧は異なります。最適な空気圧は各自動車メーカーがクルマごとに決めており、それらは「車両指定空気圧」と呼ばれております。この指定値は、運転席ドア開口部など目立つところに記載されております。
空気圧が指定値よりも高すぎたり低すぎると早期劣化、偏摩耗を起こし、傷を受けやすくなり危険です。また、燃費にも影響を与えます。定期的にガソリンスタンドにて空気圧をチェックしてもらい、快適で安全な運転環境を整えましょう。
夏のスタッドレスタイヤ走行は危険!
冬に履き替えたスタッドレスタイヤを履いたまま、夏も走行していませんか?
スタッドレスタイヤは、雪道や凍結した路面を走行してもスリップしにくく、より安全に走行できる工夫がされています。最大の特徴は路面との摩擦の強さです。スタッドレスタイヤの素材は夏タイヤよりも柔らかくできており、路面との接地面積が広い分摩擦抵抗が高くなります。また、凍結した路面を覆う薄い水分膜を吸い込んだり、タイヤの溝に入り込んだ雪を排出しやすい構造も特徴です。
このような特徴を持ったスタッドレスタイヤはグリップ力が高く、タイヤがより止まりやすい傾向にあります。そのため、ある一定距離を走るのにアクセルをより長く踏むことになるため、燃費が悪化します。
また夏の乾燥した路面では吸い付きが鈍く、また深い溝と柔らかなゴム素材によって遊びが生まれてしまうことで、ステアリング操作の反応が悪化します。特にコーナリングでは、反応の悪さを感じやすく、コーナリングの際に膨らんでしまうケースがあります。
ブレーキを踏むと、タイヤは路面との摩擦で変形します。このとき柔らかな素材でできているスタッドレスタイヤの方がより変形しやすく細かな溝が消失してしまうため、グリップが効かなくなるのです。特に真夏の路面は非常に高温で、ゴムの変形は顕著になります。そのため、乾燥した道でも滑りやすくなり、制動距離が延長します。
季節に合った適正なタイヤを履いて、安全運転を心掛けてください。
交換目安はどれぐらい?
走行距離の目安
一般的に、タイヤは4万キロメートルの走行距離に耐えうると考えられています。また、目安として5,000kmの走行で1mmほどタイヤが摩耗するともいわれています。
新品タイヤの溝は約8mm程度でつくられていますから、32,000kmほどの走行でタイヤの溝は1.6mmになる計算です。ただし、使用環境などによっても摩耗の具合は変わってきますので、運転前には溝があることを確認しましょう。
消費期限の目安
タイヤには消費期限があります。一般的に、タイヤの寿命は最長でも製造から10年程度が目安とされていますが、タイヤメーカーは使用開始後4~5年での交換を推奨しています。
溝が十分にあり、ひび割れが無かったとしても、さまざまな要因によって目に見えないゴムの劣化が進行している場合もあります。タイヤの消費期限を知るためには、製造された時期を知ることがひとつの基準になります。製造年週もスリップサインと同様に、タイヤの側面に書かれています。
製造番号のうち、ゴムの中にへこんだ文字で下4桁(例2412)の数字が製造年週を示しています。最初の数字24は週(24週目【6月】)を、最後の数字12は年(2012年)を示します。
最後に
今回はタイヤについての豆知識をお話させて頂きました。タイヤは自動車と路面の唯一の接点です。車体をしっかりと支えるのはもちろん、走る、曲がる、止まるという基本的な走行パターンを司る重要なパーツです。タイヤの機能をしっかりと把握して、安全運転を実践しましょう。