最近自動運転を始めとし、様々な機能の自動化が進んでいますが皆さんのお車にはオートライト機能は搭載されていますか?実はこの機能、新型乗用車では2020年4月から義務化されます。(現在販売されている車は2021年10月から義務化)そこで今回は、オートライトの機能と義務化についてお話したいと思います。
オートライトとは
オートライトは周囲がある一定基準以上暗くなると自動的にライトを点灯してくれる機能で、最近の車には標準で搭載されているケースが多くなっています。ヨーロッパでは2011年頃から義務化されており、アメリカでも8割が搭載されているそうです。ですから外車をご使用の方はほぼ搭載されていると考えていいでしょう。
どのように機能するかというと、フロントウインドウ直下やインナーミラー裏などにある、照度センサーが明るさを感知します。照度センサーがある一定の暗さに達すると、スモールライト又はヘッドライトが自動点灯されます。現状の車に搭載されているオートライトの多くはヘッドライトのスイッチにオートライト機能が追加されているもので、任意で自動・手動の切り替えができるものです。また、点灯する明るさの基準はメーカーにより異なります。
義務化の背景
昔はヘッドライトを点灯させると連動して自動車メーターが点灯していたため、ライトを点灯させる目安になっていました。ですがここ最近の車両は自動車メーターが自発的に発光するタイプや液晶を採用しているため、ライト点灯のタイミングを逃し無灯火のまま走行している車が意外と多く走っているようです。また、市街地や都市部では道路や店舗の照明が多く、周囲の暗さに気づかず無灯火で走行してしまう場合もあります。
他にもさまざまな要因がありますが、一番の大きな要因とされているのが薄暮れ時の事故件数です。警視庁が取りまとめた2013年から2017年に発生した事故件数の資料によると以下のような特徴が見られました。
事故件数から発生頻度が高いのは辺りが薄暗くなり視認が難しい時間帯となっています。2014年のJAFの実地調査によると、日の入り30分前でヘッドライト点灯車はわずか0.9%だったそうです。ちなみに道路交通法でヘッドライトを点灯しなければならないと定められている日没の点灯率は全体の22.8%という結果でした。
今までのオートライト機能搭載車は自動車メーカーによる照度センサーによって点灯のタイミングが異なっており、機能未搭載車においては運転者自身の判断で点灯のタイミングが委ねられている現状があります。早期点灯活動である【おもいやりライト】にもあるように、薄暮れ時の早期ライト点灯は他の走行車や歩行者へ自車がいることのアピールにもなります。オートライト義務化によって自動点灯での日没前からのヘッドライト点灯を実現することで、事故削減が期待されています。
義務化の内容
さて背景も確認したところで今回の義務化の内容を整理していきます。
つまり
・周囲の照度が1,000ルクス未満になるとロービームが2秒以内に点灯する
・周囲の照度が7,000ルクスを超えるとロービームが5秒から300秒以内で消灯する
※但し周囲の照度が1,000ルクス以上7,000ルクス以下の点灯や、点灯と消灯までの応答時間は各メーカーに委ねられます。
またハイビームやフォグランプ点灯時及び駐車時を除いて手動でオフできなくなる等の内容が盛り込まれています。
ここで今回設定された基準【1,000ルクス未満】というのは実際どの程度の明るさなのでしょうか。参考ですがデパート店内が約500~700ルクス、オフィスでも約500ルクスだそうです。そう考えると基準値の1,000ルクスはずいぶん明るいように感じられますが、薄暮れ時の事故を防ぐ上では、致し方ないのではと考えます。
終わりに
今後、オートライト機能義務化により薄暮れ時の事故抑制は期待できるものと思います。併せて機能未搭載の車に対して、早期点灯活動【おもいやりライト】を促進することにも効果があるのではないでしょうか。おもいやりライト運動とは、日の入り30分前を目安にライトを点灯して「相手に見られる」ことで事故を削減しようという運動です。今回のオートライト義務化を受けて、早めのライト点灯を実践し安全を意識した運転を心掛けましょう。