皆さんはこの夏をいかがお過ごしでしょうか。もうすぐ9月になろうとしていますが、残暑厳しい日々が続いており、まだまだ熱中症対策が必要と言えます。
環境省の熱中症予防サイトでは、次のような状態を熱中症と定義しています。
気温35℃を超える猛暑日も記録されるなか、十分な対策は行っていますか。 今回は自動車に関する猛暑対策をいくつかご紹介したいと思います。
猛暑の車中はこんなに危険!
猛暑の日に駐車中の車へ乗り込む時、誰もがドアを開いた瞬間に不快な熱気を味わうかと思います。JAF(日本自動車連盟)の調査では、真夏の炎天下の車内気温はエンジン停止後わずか30分で約45度にまで上昇するという結果が出ました。さらに直射日光が当たるダッシュボードでは約70度以上になる場合もあることから、猛暑の車内環境は相当過酷なものだと言えます。
特に運転席はフロントガラス、サイドガラスからも輻射熱を受け、体温が上昇しやすくなっています。加えてハンドルから手が離せない、またはトイレに行きたくなると困るため水分補給を疎かにしている場合があり、熱中症のリスクが高まっています。
エアコンをつけているから安心だと思う方もいるかもしれませんが、エアコンの風で逆に汗が渇いて脱水に気づきにくい状態に陥り、いつの間にか脱水状態、熱中症になることもあるので注意が必要です。
また、運転していて体調がおかしいなと感じたら、すぐに水分や塩分を補給する、場合によっては車を停め涼しい場所で休憩するなどの措置を取るようにしましょう。同乗者がいる場合には、声をかけるなどして同乗者の体調にも注意しましょう。
短時間で車内を冷やす方法
車内の不快な熱気を少しでも早く下げたい時は以下の方法を実践してみてはいかがでしょうか。
水をかけて車外を冷やす
自宅であればホースで数10秒~1分程、自動車のボディに水をかけてみましょう。水が溜まった熱を奪い、ボディ全体をクールダウンしてくれます。
ホースが無い場合は、バケツに水を汲んで上からかけるだけでも十分な効果があります。
車内の熱気を外に出す
1:ドアの開閉による方法
①助手席側ドア(窓)を全開にする。
②運転席側ドアの開閉を数回繰り返す。
車内に溜まった熱気を追い出すと同時に、温度の低い外気が取り込まれます。
その結果、車内の温度を外気とほぼ同じ温度まで下げることができます。
ただし、故障や怪我に繋がりますのであまり強くやり過ぎず、周りにも十分注意して行いましょう。
2:エアコンを使う方法
①窓を全開にする。
②エアコンを「外気導入」にする。
③数分間走行した後 窓を閉め、「内気循環」に切り替える。
エンジンを掛けてすぐに出発したい場合は、こちらの方法がおすすめです。
「外気導入」のまま走行を続けるとせっかくの冷たい空気が外に逃げてしまうため、「内気循環」に切り替えるのを忘れないよう注意しましょう。
エアコンの吹き出し口に冷たいものを置く
吹出口取付けタイプのドリンクホルダーを使用している場合、ホルダーに冷たいもの(飲み物など)を置いておくと、エアコンの空気が冷やされ車内が涼しくなります。
濡れタオルで車内を拭く
水気を含んだ濡れタオルを使ってハンドル・運転席のフロント、ダッシュボードなどを水拭きするだけで、気化熱効果で車内の温度が下がります。
カー用品を活用して暑さを快適に
ここまでご自身で簡単にできる暑さ対策をご紹介しましたが、カー用品を使うことでより快適にすることができます。次に、おすすめのカー用品を使った対策をご紹介させていただきます。
サンシェード
車内外の温度差による伝達熱と太陽光による日射熱で、車内の温度は上昇します。特にダッシュボードは日射熱による温度上昇の影響を受けやすいため、サンシェードは非常に効果的です。光を反射しやすい色(白や銀など)を選ぶのがよりおすすめです。駐車時はサンシェードを使ってみてはいかがでしょうか。
断熱フィルム
窓ガラスへフィルムを施工するのも効果的です。最近では紫外線(UV)と赤外線(IR)をカットする機能を備えた商品が多く、色付き・色なしなど種類も多岐にわたります。また、車内温度の上昇を抑えるだけでなく、太陽光による内装の色褪せ防止にも一役買います。
ただし、可視光線透過率が70%以上のものを使用しなければいけないと道路交通法で定められているため、あまり濃すぎる色は違反の対象となります。フィルムはカット済みの物もあり、自分で施工することもできますが失敗したくない場合はカー用品店等で施工を依頼することをおすすめします。
車用扇風機
ミニバンなど車内が広いタイプの車に乗っていると、エアコンをつけてもなかなか後部座席まで冷えない...といったことはありませんか?そういった場合に有効なのが車用扇風機です。運転席と後部座席の間に取付けることでエアコンの風を後部座席まで送り届け、車内を一定の温度に保ちやすくなります。
また、エアコンの温度をあまり下げる必要がなくなり、運転席が冷えすぎるといったことも解消されます。取付もクリップ式など簡単なものが多くおすすめです。
最後に
安全運転を行うためには、快適な車内環境を保つことも大切ではないでしょうか。今回ご紹介させていただいたことが少しでも参考になれば幸いです。
重ねてにはなりますが、車の中だからと言って水分・塩分補給を忘れず、決して無理はしないことが大切です。夏バテ気味の方もいらっしゃると思いますが、十分な食事、睡眠を取ることも熱中症対策の一つです。車内環境を保つ事と同時に暑さに負けない身体づくりをしてこの夏を乗り切りましょう。