皆さんは、お車を運転される上でカードは使用されていますか。カードには、給油時のコストを抑える給油カードや高速道路利用時のコストを抑えるETCカードといったものがあります。
最近では、駐車場カードやレンタカーカード、カーシェアカードといったカードも発行されており、一企業において1人のドライバーが何枚ものカードを所持しているケースが増えてきています。カードの使用によるメリットとしましては、コスト面以外にもカード決済によって利用後の社内処理が簡素化されることや、ドライバーや管理者の業務効率の向上などがありますが、一方で、多くのカードを持てば持つ程、管理側は不正利用のリスクやトラブル時の対応に時間を取られてしまうというデメリットも存在します。
今回は、カードの中でも代表的な給油カードとETCカードについて、不正利用の対策や管理するポイントをいくつかご紹介致します。
カードの不正利用
カードの管理者は、カードの不正利用が行われないように利用状況を把握する事が重要です。会社から貸与されたETCカードを休日の私用で使っていたり、給油カードを使ってマイカーに給油をしているなどの不正利用がないとは言い切れませんし、弊社のお取引先においても不正利用の取締りをしたいというお声もよく耳にします。
また、給油カードにクレジット機能が付いていると、ガソリンスタンドで不要なオイル交換やエンジン添加剤の購入などが行われるケースもあります。とは言え、不正利用や不要な購入履歴を見つける為に、カードの利用明細を1台ずつチェックするのは時間も労力も掛かってしまい、継続するのは難しいかもしれません。そこで、上記のような不正利用を抑止するために、ドライバーに対して牽制機能を働かせる必要があります。
カード会社によっては利用明細をネット上から閲覧・検索する事が出来たり、毎月の利用明細をデータで提供してくれる場合があります。会社として利用明細が簡単に確認できるようであれば、不正があった場合はすぐに詳細を検索できますし、社内に不正利用の発生について展開し、牽制することで、不正利用の抑止効果を向上させることができるでしょう。
カードの有効期限管理
給油カードやETCカードには利用できる有効期限が定められています。しかし、車両のリース満期日や保険満期日に比べて、カードの管理については有効期限の認識が低下してしまいがちです。カードの有効期限が切れてしまうと、ドライバーから給油できないとクレームが集中してそれらの対応に追われたり、高速道路の料金所レーンでバーが上がらずに事故に巻き込まれたり、と想像以上の重大なトラブルを発生させてしまうリスクもあります。
給油カードやETCカードの有効期限は、一般的に全枚数が同一の期限になっている事が多い為、その場合は使用しているカードの有効期限を把握するのは容易です。一方で、同じカードにおいても有効期限にばらつきがあるようなら、有効期限は統一した方が良いでしょう。
また、カードの更新時あるいは新規発行時には、カード会社へ事前に新しいカードが発送されるスケジュールを確認しておく事をお勧めします。スケジュールが分かると、事前に社内通達などでカードの発行案内をする事ができるからです。
案内もないままに突然新しいカードが現場に届くと、ドライバーはどうして良いのか分からず、正しく差し替えができなかったり、誤って新規カードを破棄してしまうなどの恐れがあります。カードの有効期限を把握し、カード会社と連携してカード送付のスケジュールを調整しながら都度、更新の事前準備をしておく事が重要です。
お得なETCカード
ETCカードには複数の種類があります。マイレージ登録をしてポイントを還元するマイレージカードと、利用額が多い車両に対して発行出来るコーポレートカードです。マイレージカードはマイレージ登録をすることで、走行距離に応じてポイントを受け取ることができ、貯めたポイントを使用して無償で高速道路を利用することが可能です。
ただし、ポイントには有効期限があるため、それを過ぎるとポイントは失効されてしまいます。ですので、ポイントの有効期限管理をしながら適切なタイミングで還元することで、コストを抑えて効率的に高速道路を利用することができるようになるでしょう。
コーポレートカードは高額利用者に対して大きな割引が適用されるお得なカードですが、厳しい使用条件があります。たとえば、対象車両以外の車両でコーポレートカードを使用した場合に割引が適用されなかったり、規約違反としてペナルティを科せられるケースもあります。また、協同組合から改善勧告があっても一向に改善されない場合はコーポレートカードを発行してもらえなくなる可能性もあります。
上記のとおり、マイレージカードやコーポレートカードは割引の効くお得なカードではありますが、使い方を知らないとペナルティを受けたり、サービスを受けられなくなる恐れがあります。ゆえに、割引を上手に利用して高速利用額のコスト削減を行うためには、使用方法をきちんと理解し、ドライバーに正しく使用させながら、カードの管理を行っていくことが重要です。
マイレージカードとコーポレートカードの違い
マイレージカード | コーポレートカード | |
---|---|---|
割引の方法 | 無料通行ポイント付与 | 請求額から控除 |
NEXCO道路割引幅 | ~10% (通行料金10円ごとに1ポイント付与) |
~30%(40%) ※カッコ内はETC2.0を使用する事業用車両(注)に限り適用される割引率です。 (令和2年(2020年)3月末まで) |
利用額と割引の関係 | 少額利用からでもポイント付与 | 一定金額を超える必要あり |
割引への走行参入期間 | 一定期間の蓄積が可能 ただし期限あり |
毎月リセット |
首都高速・阪神高速 | 一部区間除きポイント付与なし | 割引参入対象 |
カードの複数台利用 | 可能 | 不可 |
平日朝夕割の適用 | あり | あり |
最後に
カード管理を怠るとトラブルの原因となり、後々の対処で余計な手間を取られてしまいます。新しい車両の手配と自動車保険の加入手続きを終えて安心していると、ついついカードの発行手続きや更新手続きを失念してしまうリスクもあるでしょう。カードの管理にまで手が回らない...という方もいらっしゃるかもしれませんが、「所持している運転者」、「使用している車両」、「カード番号」、「有効期限」については最低限、管理する必要があるでしょう。
カードの管理を始め車両管理でお困りごとがあれば、弊社でお手伝いできることがあるかもしれませんので、いつでもお気軽にご相談頂ければ幸いです。