今や高速道路走行になくてはならない存在となったETC。コラムをお読みの方で、業務中にお使いになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。国土交通省によるとETCの普及率は91.5%と、高速道路を利用するほとんどの方がETCを利用している状況です(H30年6月現在調べ)
日々何気なく使っているETCですが、利用する際にはいくつか注意が必要です。一つ間違えば重大な事故に繋がることもあります。
そこで今回はETC利用時の注意点をおさらいしたいと思います。
出発前に
1:ETCカードの有効期限を確かめる
出発する前に、ETCカードの有効期限を必ず確かめましょう。クレジットカードと同様にETCカードにも有効期限があります。期限切れのカードを差し込んだままゲートを通過するとバーが上がらず、事故に繋がる危険性がありますので確実に確認するようにしましょう。
一般的にカードの表面記載の有効期限を確かめますが、最近ではETC車載器にカードを差し込むと有効期限を音声で読み上げるタイプのものが多いので、カードを差し込んで音声案内を聞いて確かめる方法もあります。
2:ETCカードは確実に挿入する
開閉バーが開かないトラブルの大半は、ETCカードの不完全な挿入が原因です。カードの向きを誤って挿入してはいないか、確認しましょう。NEXCO東日本によるとETC停止原因の4割がカードの差し忘れや挿入不具合だと言われています(平成27年調べ)
カードに記載された矢印の方向に従ってしっかりと差し込むと、車載器のランプが点灯したり、電子音や音声で挿入されたことを知らせてくれます。それらを確認してから運転を開始しましょう。
走行中の注意
1:ETC利用可能なゲートに入る
高速道路を乗り降りする際に通る料金ゲートは、必ず侵入前にETC利用可能なレーンであることを確認してください。万が一ETCが使用できない状態でETCレーンに入ってしまった場合も、バックして一般レーンへ移動するような行為は大変危険ですのでやめましょう。そのような場合には、備え付けのインターフォンを使って係員の指示に従うようにしましょう。
2:レーンでは車間距離を取る
突然前を走行中の車が何の前触れもなく止まるかもしれませんので、レーンに入ったら車間距離を取りましょう。もし車間を詰めて走行しているとブレーキが間に合わず追突し、事故に繋がる恐れがあります。ETCレーン走行時はもちろん、道路を走行する際は車間距離を十分取るように日頃から意識しておきましょう。
3:ゲート通過時は時速20km/h以下に減速
ゲートを通過する際は20km/hまで減速して侵入し、徐行して通行しましょう。これはETCシステム利用規定でも定められています。誤進入やカード未挿入等により、前車の停止や開閉バーが開かないなど不測の事態が発生する場合もあります。安全のためにも、ETCレーンは徐行して通行してください。
4:路肩の電光表示とバーを確かめる
ETC車載器との通信が完了すると路肩の電光表示が「通行可」に変わり、バーが開きます。電光表示を確かめてから通行するようにしましょう。もし通信がうまくいかない場合は「STOP停車」と表示され、バーが開きません。この場合はバックなどせず、その場に車を停めて係員の指示に従うようにしましょう。
車を降りる際には
1:ETCカードを車内に放置しない
ETCカードはクレジットカードですので、防犯の観点からも車内に残すことのないようにしましょう。特に夏の車内が高温になる時期は、熱などの影響でカードが使用できなくなる可能性もあります。車から離れる際は、カードを車載器から抜き取って携行するようにしましょう。
最後に
ここまでお伝えしてきたことはどれも当たり前の事だと思う方もいますが、業務で毎日ETCを利用していると慣れが起こり、疎かにしてしまいがちです。事故を防ぐ車両管理として、例えば運転日報に「始業時にETCカードを挿入したか」を確認するチェック欄を作り、乗車時確認に組み込むのもひとつの方法かもしれません。安全に高速道路を利用するためにも、正しいETCの利用方法を守りましょう。