カーシェアリングとレンタカーの違い、知ってますか?

 急に車が必要になった時、購入せず必要な時だけ借りる方法として、カーシェアリングとレンタカーが挙げられます。どちらもお金を支払って一定の時間車を借りるという点では同じですが実はサービス内容に大きな違いがあることをご存知でしょうか。
 そこで今回は、カーシェアリングとレンタカーの違いを比較しながらお伝えしたいと思います。

カーシェアリングとレンタカーとは

 レンタカーは、車を有料で借りるサービスです。数時間から1ヶ月まで幅広い貸し出し料金形態を用意しているのが特徴です。一方、カーシェアリングは特定の自動車を会員間で共有し、それぞれが利用したい時間に借りることができるサービスです。事前の会員登録を行うことで、ステーションにある車を短時間から借りることができます。また、1台の車を会員同士で共有するため、排ガス等自動車による環境影響軽減にも効果があるとされ、現在注目されています。

カーシェアリングのメリット・デメリット

メリット

予約が簡単1:予約~乗車までの手続きが簡単
 カーシェアリングの予約は、初回の入会手続きさえ完了すればパソコンやスマートフォンから簡単にできます。当日の乗車は専用のICカードもしくは携帯電話でドアを開けるので、対面手続きは一切ありません。

短時間利用2:短時間利用が可能
 カーシェアリングは10分~15分刻みの短時間利用が可能です。価格も100~200円程度とお手頃価格で車を借りることができます。

24時間利用可能3:貸し出し・返却が24時間可能
 実店舗を持ち対面で受付を行うレンタカーと違い、カーシェアリングはステーションへ車を返すだけで返却が完了します。その為、予約さえ入れておけば夜中でも車を借りることができます。夜間~早朝までの利用料金がオトクになるナイトパックを設定している会社が多く、上手に利用すればお値打ちに利用することが可能です。

満タン返し不要4:ガソリン満タン返し不要
 カーシェアリングではガソリン代も料金内に含まれているので、ガソリン満タン返しの必要がありません。万が一ガソリンが少なくなった場合は、車内に備え付けられた給油カードで給油ができるので心配無用です。

デメリット

会員カード1:会員制
 利用するためには予め会員登録をする必要があり、ICカードの発行等で利用するまでに時間がかかる場合があります。さらに月額基本料金がかかるので、全く使用しなかった月でも費用が発生してしまいます。

予約できない2:借りられない場合がある
 他の利用者とシェアしているため、自分が使いたい時にその車が利用されている場合があります。また予約していた時間を変更したいと思っても、次の予約が入っている場合には延長することができないなど、自分が思っている時間で自由に使えない場合もあります。

汚い車3:貸し出し毎の清掃がない
 レンタカーとは違い貸出毎に清掃が行われることがなく、車内の清潔度は会員同士のモラルに任せなくてはなりません。もし使い方の悪い会員の後に使うことになると、車内が汚い状態で乗らなくてはならないということも考えられます。

元の場所へ返却4:乗り捨てできない
 カーシェアリングは使い終わった車は、元のステーションへ返す事が前提となっています。そのためレンタカーと違い、いわゆる『乗り捨て』ができません。出張先や旅先で利用する場合には注意が必要です。

レンタカーのメリット・デメリット

メリット

豊富な車種選択可能1:車種の選択肢が豊富
 レンタカーでは豊富に車種を保有しているので、大人数の旅行の際にはミニバン、引っ越しの時にはワンボックスと言ったように使用するシチュエーションに応じて車を選択することができます。

来店(レンタカー店)2:会員登録不要で利用できる
 カーシェアリングのように事前の会員登録をすることなく、店舗へ来店することで利用することができます。急に車が必要になっても会員登録なしで利用できるので便利です。

きれいな車3:安心・清潔な車に乗れる
 レンタカーに使われる車両は、乗用車の場合6ヶ月毎の点検を受ける必要があります。一般の自家用車よりも短いスパンでメンテナンスされているので、安心して車に乗ることができます。また利用ごとに車内清掃を実施するので、清潔な状態が保たれています。

乗り捨て可能4:乗り捨て可能
 カーシェアリングとは違い、レンタカーは乗り捨てが可能です。主要駅や空港には多くのレンタカー会社の営業所があり、公共交通機関と併せて利用して移動効率の向上をはかることができます。

デメリット

レンタカー店1:営業時間が限られている
 営業所へ来店して車を借りるため、営業時間内に車を返却しなければなりません。24時間営業の営業所もありますがそうでない営業所もある為、レンタカーを利用する際には注意しなくてはならないでしょう。

ガソリン満タン2:ガソリン満タン返却
 カーシェアリングとは違いガソリン代は料金に含まれていないため、使った分のガソリンを入れて返却する必要があります。返却時間間際にガソリンスタンドが見つからず時間を過ぎてしまうというようなことがないように、時間の余裕をもって返却を行う必要があります。

手続き中3:手続きに時間がかかる
 カーシェアリングの場合にはWeb上で予約して開始時間に車のロックを解除するだけで利用できますが、レンタカーの利用には対人サービスがために手続きには時間がかかります。受付、車両確認を経て出発までに約10~15分、返却後も約5分程度の時間を要してしまいます。

どちらがオトクなの?

 一般的には短時間の利用はカーシェアリング、長時間の利用はレンタカーと言われています。しかし一概には言えないようです。カーシェアリングの場合、長距離になると距離料金が発生しますが、ガソリン代と保険料が利用料金内に含まれます。さらにナイトパック等のパック料金を利用すれば、トータルで考えるとレンタカーよりお得に利用できる場合があります。それに対してレンタカーも、6時間以下の短時間で借りられる料金プランのある会社もあるので、利用予定に応じて最適なサービスを提供している会社を選択する必要があります。

最後に

 最近ニュースで目にすることが増えた「シェアリングエコノミー」は、交換や共有によって成り立つ新しい経済の仕組みです。シェアは「共有する」「分け合う」という意味で、カーシェアリングとレンタカーは似ていますが、上手に利用することで業務や移動の効率アップや車両コストの見直しが可能になります。それぞれのサービスにあるメリットとデメリットをよく理解したうえでより最適なサービスを選択し、活用していけるといいですね。