配車サービス「Uber」が2014年8月に東京都内でサービスを開始して、もうすぐ3年が経ちます。中には名前だけは聞いた、もしくはすでに利用したことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、初めて聞いた、まだ利用したことがない方のために、「Uber」とはどのようなサービスなのか、また利用方法についてお話したいと思います。
Uberとは
Uberとは、アプリ登録をしておけばスマホでハイヤーを呼べる、というサービスです。元はアメリカが発祥で、利便性の高さと手軽さから、世界中でサービスが普及しています。特徴としては、一般的なタクシーの配車に加え、一般人が自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶ仕組みを構築している点で、顧客が運転手を評価すると同時に、運転手も顧客を評価する「相互評価」を実施しています。
世界では、タクシーにおいて「領収書を発行しない」「タクシーメーターを倒さず、法外な料金を請求する」といった問題が多く起こっていることから、これらの問題を回避し、さらに車両オーナーにとって「簡単な小遣い稼ぎ」ができる点が受けています。
日本ならではの問題点
便利なサービスならもっと広まってもいいような気がしますが、日本でサービスが拡大しない理由があります。日本ではドライバーは普通運転第二種免許を持ち、緑ナンバーの運送業許可を取得している車でしかお客を乗せることはできないからです。
過去にUberは福岡市で個人の自家用車(白ナンバー)で試験的に運送サービスを実施しました。しかし、国土交通省から『自家用車による運送サービスは白タク行為に当たる※』と指導が入り、1ヶ月で中止されました。
【白タクとは】
一般の自家用乗用車と同じで、白地に緑文字のナンバープレートをつけた車で料金を取ってお客さんを運ぶ車両を白タクシー、略して白タクと呼ぶ。無許可、無資格であるため、違法行為。
現在は東京でのみ、タクシー会社と提携して提供することにとどまっています。
タクシーとの違い
Uberと同等のサービスとしてタクシーが挙げられますが、いくつか異なる点があります。
1:迎えに来てくれる車のタイプを選べる
料金や利用シーンに応じて数種類の車種から選べます。
レクサスやBMWといった高級車も多く、ミニバンもあります。
2:配車する場所や時間によって料金が決まっている
アプリ上で事前に料金が分かるので、タクシーのようにメーターを気にする必要がありません。
3:事前に登録してあるクレジットカードから、サービス利用後に請求される
現金を用意しておく必要がなく、クレジットカードも端末に通したりすることはなく自動支払いです。
領収書は登録のメールアドレスに送られるため、ビジネス使用でも問題なく利用できそうです。
目的地に到着後すぐに車を降りることができ、急いでいる時には便利です。
4:夜間割増料金がない
Uberには夜間の割増料金が設定されていません。
ですから、終電を逃した際などには大変便利です。
Uberの利用方法
気になる実際の利用方法ですが、スマホ一台で行える簡単なものです。
- スマホへアプリをダウンロードし、クレジットカードの情報を登録
- アプリを起動し、目的地を入力
- 現在地から目的地までの所要時間、ルートがマップ上に表示されます
- 迎えに来てくれる車の種類を選択
- 定員と料金幅、料金の詳細が確認できます
- 「ハイヤーを依頼する」をタップ
- 迎えに来てもらう場所のマップ上にピンを立てます
- 「配車を確定する」をタップ
- 近くのUber車を検索されるので、見つかり次第、配車予約完了です
- ドライバーの顔写真、名前、評価、車種、ナンバー、迎えに来てくれるまでの時間が表示されます
- 配車した車が自分の近くまできたらアプリが通知してくれます
- 10.で表示された車のナンバーをもとに、配車した車を見つけます
- 車に乗り込み、目的地に着いたら事前に登録しておいたクレジットカードで支払い
クレジットカード自体は必要なく、そのまま車を降りられます
- 領収書が必要な場合は別途メールで受け取れます
- 利用した車の運転手を評価します
配車予約の際に目的地を設定することで事前に料金や所要時間が確認できるため、タクシーと比較して目的地到着後の予定も立てやすく便利です。しかし、料金はタクシーと比較すると割高になっています。例えば、平日15時に東京駅から羽田空港までですと、Uber:約7,600円、タクシー:約6,000円となっています。
また一度アプリをダウンロードすれば東京だけでなく、世界603の都市で利用が可能なことから、海外出張や海外旅行でも利用できます。慣れない海外での料金交渉をする手間が省け、目的地も最初にスマホで登録することから、現地の言葉が分からなくても安心して目的地まで運んでもらえるのはありがたいと思います。
最後に
2020年には東京オリンピックを控え、今後日本には外国人観光客も増えることが見込まれています。いわゆる鉄道やバスといった公共交通機関が限られ、タクシーの台数にも限りがあるような地域では、交通手段の少なさが外国人観光客受け入れの課題となっています。
Uberがこの課題解決の一端を担う時が来るのか、これから注目していきたいものです。