先月掲載した自動走行車についてのコラムでお話させていただきましたが、日産からプロパイロットシステムが搭載された新型セレナが2016年8月24日発売されました。今回発売されたセレナには最先端の技術がいくつか搭載されましたが、その中でもプロパイロットはCMなどでも大きく宣伝されており注目されています。
今回は新型セレナのプロパイロットについてクローズアップしてご紹介したいと思います。
新型セレナ搭載のプロパイロットとは
プロパイロットとは、高速道路の単一車線での単調な渋滞走行と長時間の巡航走行時に、前方の車両や白線を瞬時に把握して車両を精確に制御できる自動運転技術のことです。今回のセレナへの搭載はミニバンでは世界初のものとなります。
前方を走行する車両をフロントに取付けられたモービルアイ製高性能カメラで認識し、車間距離を把握します。そして設定した車速(約30〜100km/h)を上限にアクセルとブレーキを自動でコントロールして、前方の車両との車間距離を保ちます。また、白線も認識するのでステアリングを自動でコントロールし、直線道路だけではなくカーブにおいても走行車線の中央を走行する事ができます。
プロパイロットの主な動作シーン
この機能により、ストップ&ゴーを繰り返す渋滞運転時や、一定の速度を保っての長距離移動の際に感じていたイライラやストレスや疲労による操作ミスを軽減することができると考えられています。
プロパイロットのセットはとても簡単で、ハンドルに取り付けられたボタンを2つ押すだけで完了します。まずはプロパイロットスイッチを押して、スタンバイ状態にします。その後とセットスイッチで車速を設定すると、プロパイロットが開始します。
プロパイロットのセット方法
プロパイロットの今後
プロパイロットは白線が両側にある場合、前方に追従できる車両がある場合など、交差点や信号のない高速道路や自動車専用道路に限定で作動することができるので、あくまでも運転支援技術であって自動運転ではありません。
今後、段階を踏んで導入されていく自動運転技術の第一歩という位置づけのものとなります。
日産では2年後の2018年には高速道路の複数車線の自動運転、その2年後の2020年には交差点を含む市街地の自動運転を実現するとしており、今後の自動運転の技術の進歩には注目したいです。
新型セレナにプロパイロットを搭載するには
新型セレナでプロパイロットを搭載するのには2つの方法があります。
1つ目がセーフティパックBをメーカーオプションで選択する方法です。ただし標準モデルのSグレードでは選択することができませんのでご注意ください。
2つ目がハイウェイスター プロパイロットエディションをというグレードを選択することです。このグレードではプロパイロットは標準装備となっております。しかし、2017年3月までの期間限定販売なのでお買い求めはお早めに。
車両本体価格
グレード | 駆動 | 価格(税込) | |
---|---|---|---|
セーフティーパックBを選択 | X | 2WD | 2,732,400円 |
4WD | 2,976,480円 | ||
G | 2WD | 3,090,960円 | |
4WD | 3,378,240円 | ||
プロパイロットエディション | ハイウェイスター | 2WD | 2,916,000円 |
4WD | 3,176,280円 | ||
ハイウェイスターG | 2WD | 3,187,080円 | |
ライダー | 2WD | 3,095,280円 | |
4WD | 3,328,560円 |
終わりに
安倍首相が「2020年には、東京で自動運転車が走り回っている」と宣言をしていることもあり、日産だけではなく各社が自動運転に力を入れてくることが予想されます。
5月に自動運転中の車両が死亡事故を起こすなど、まだまだ課題は多いと思いますが、今回のプロパイロットは自動運転への第一歩として、今後の自動運転化へ大きな期待を抱かせてくれるものとなるでしょう。