1997年に誕生から日本の自動車市場でハイブリッド車の代名詞となっているトヨタのプリウス。
今日では個人のマイカーだけでなく、法人の社用車としても活躍するシーンが多くなってきています。1997年の誕生から今年で20年の節目を迎え、2015年12月にプリウスは更なる進化へ向けてモデルチェンジが発表されました。
販売店では既に事前予約が60,000台を突破し、納車までに4ヶ月待ち、現時点のオーダーで年度内に間に合わないという情報もでております。
今回は、この新型プリウスについてご紹介をしたいと思います。
車両価格の比較
まず消費者として気になるのは、車両の本体価格ですが、旧型と比較すると、各グレードごとに車両本体価格が上がっています。
車両本体価格
車名 | 旧型 | 新型 | 値上がり額 | ||
---|---|---|---|---|---|
グレード | 車両価格 | グレード | 車両価格 | ||
プリウス |
G | 2,592,000円 | A | 2,777,563円 | 185,563円 |
S | 2,386,286円 | S | 2,479,091円 | 92,805円 | |
L | 2,232,000円 | E | 2,429,018円 | 197,018円 |
また、今回からグレード名の改定があり、上級グレードが旧型は「G」だったのに対し、新型は「A」に改定されております。AとはAdvanceの頭文字で、先進的なという意味を持ちます。先進安全機能「Toyota Safety Sense P」が標準装備されることを受けて、今回から改定されました。
※その他にも、旧型「L」が新型では「E」に改定されております。
燃費
新型プリウスの販売で皆さんがもっとも気になるのは、なんと言っても燃費ではないでしょうか。旧型プリウスでは、JC08モードで32.6km/ℓの燃費数値でした。トヨタのラインナップでも、アクアが37.0km/ℓ、カローラアクシオやフィールダーのハイブリッドが33.8km/ℓとプリウスよりも燃費が先行していました。
トヨタ以外でも、軽自動車分野ではスズキのアルトが37.0km/ℓ、ホンダのフィットハイブリッドでは36.4km/ℓとまさしく、車メーカーでは激しい燃費競争が繰り広げられております。しかし、今回の新型プリウスが発表した燃費は、なんと40.8km/ℓ。(Eグレード)ついに40km/ℓの大台を超え、各メーカーの燃費競争から、頭一つ抜き出た形となりました。
歴代プリウスの燃費
新型プリウスの燃費向上の理由として、エンジンの燃焼効率の改善や、ハイブリッドバッテリーの小型化、軽量化など様々な箇所で改善が行われています。また、今回の新型プリウスは、トヨタの新プラットフォーム『TNGA』で基本骨子を見直した低重心ボディも注目をされています。低重心により走行の安定性が向上し、快適なドライビングポジションを追求する事で乗り心地もアップしています。
4WDの設定誕生
冒頭で新型プリウスのグレード名改定についてお話しましたが、今回の新型プリウスはこれだけで止まりません。ついに待望の4WD設定が登場しました。これまでは、2000ccクラスにはバッテリーサイズが大きくなり、バッテリーを載せるスペースが無くなってしまったり、車両重量が重くなる為、ハイブリッド本来の低燃費が実現できず、燃費が悪くなる等の理由から2WDの設定しかありませんでした。 しかし、今回の新型プリウスで4WDの設定が登場した事により、購入ニーズの少なかった豪雪地域でも、プリウスを購入するユーザーが増える事が予想されます。
先進安全装備の搭載
昨今の自動車開発で燃費と同じく飛躍的に開発が進んでいるのが、先進安全装置です。衝突防止による自動ブレーキ機能など、各メーカーも開発が進んでいます。今回の新型プリウスに搭載されるのは、実安全の追求から生まれた、4つの先進安全機能『Toyota Safety Sense P』(衝突回避支援パッケージ)が搭載されます。
Toyota Safety Sense Pの4つの機能
1:プリクラッシュセーフティシステム(レーザーレーダー+単眼カメラ方式)
前方の車両や歩行者をミリ波レーダーと単眼カメラで検出。警報ブザーとディスプレイ表示で衝突の可能性を知らせ、ブレーキを踏めた場合はプリクラッシュブ レーキアシスト。ブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動させ、衝突回避または被害軽減をサポートします。プリクラッシュブレーキは歩 行者に対しては自車が約10~80km/hの速度域で作動し、たとえば、歩行者との速度差が30km/hの場合には、衝突回避または被害軽減をサポートし ます。また、車両に対しては自車が約10km/h以上で作動。たとえば、停止車両に対し自車の速度が40km/hの場合は、衝突回避または被害軽減をサ ポートします。
2:レーンディパーチャーアラート
道路上の白線(黄線)を単眼カメラで認識し、ドライバーがウインカー操作を行わずに車線を逸脱する可能性がある場合、ブザーとディスプレイ表示による警報 でお知らせ。さらに電動パワーステアリングを制御することで、車線逸脱を回避しやすいようにドライバーのステアリング操作をサポートします。
3:オートマチックハイビーム
ハイビームとロービームを自動で切り替え、夜間の歩行者などの早期発見をサポート。切り替え忘れを防ぐほか、手動操作の煩わしさも軽減します。
4:レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
ミリ波レーダーと単眼カメラで先行車を認識し、車速に応じた車間距離を保ちながら追従走行を支援します。先行車が停止した時は自車も停止して停止状態を保 持、先行車が発進した時はドライバー操作により発進し、追従走行を再開します。高速道路の渋滞走行時など、停止・発進を繰り返すシーンで、ドライバーの運転負荷を大幅に軽減します。
グレード別の搭載機能を見てみると、上級グレードの『A』には『Toyota Safety Sense P』が標準装備となっています。その他の『S』グレードと『E』グレードもメーカーオプションとして設定が可能です。(メーカーオプション:80,000円税別)
最後に
今回の新型プリウスは『燃費の向上』『4WDの設定』『先進安全機能の装着』と新型プリウスにふさわしいモデルチェンジとなっています。デザインも刷新され、次世代の車という雰囲気が強く引き立っています。
現時点では注文から納期まで時間も掛かりますが、待ってでも購入したい1台ではないでしょうか。